広島交響楽団 第347回定期演奏会 [音楽]
昨晩はゲストコンサートマスターに安永徹さん、ピアノに市野あゆみさんを迎えての広響定期演奏会に行ってきました。
<曲目>
ピーター・ウォーロック キャプリオル組曲
モーツァルト ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 KV453
モーツァルト 交響曲 第41番 ハ長調 KV551 「ジュピター」
指揮者なしの演奏会は初めてです。
安永さんは指揮はなさらず時々キューを出している程度だったので、大型室内楽のようでありました。服装も燕尾服ではなく皆様スーツ、ソリストの市野さんも女性奏者さんとあまり変わらない、シックな黒のワンピースとジャケットです。
1曲目のピーター・ウォーロックは20世紀初頭のイギリスの作曲家。プログラムノートによるとキャプリオル組曲とは、16世紀の音楽とダンスの教本<オルケゾグラフティー、舞踏記譜法>の舞曲に基づく曲だそうです。舞曲というだけあって、たいへん耳馴染みの良い聴きやすい曲でした。
続くモーツァルト ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 KV453
KV453を聴いて、カッコいいと感じたのは今回が初めてです。キリリと引き締まった明鏡止水なモーツァルト。
モーツァルトのピアノ協奏曲17番のソリストといえば、私の中では優雅、軽快、芳醇のイメージが定着していました。市野あゆみさんのソロはそんなイメージを一変させる響きなのです。軽やかに流れるように進むのではなくて、しっかりとリズムを刻むことでピアノが主張します。それは一方的な主張ではなくて、「わたしはこうだけれども、あなた方はいかが」と、楽器を用いて対話するのです。管楽器群とくにファゴットとの掛け合いが素晴らしかった。
カーテンコールは5回くらいあったかな。拍手が鳴り止みませんでした^^(皆、アンコールを期待?
メインはモーツァルト最後の交響曲、ジュピター。
ティンパニーを際立たせ、堂々たる響きで開始です。
前のめりにならず重心は低め、モーツァルトの書いた音符を丁寧に紡いだ佳演であります。ヴァイオリンを対向配置にしていたので1stと2ndの掛け合いも存分に堪能できました。
アンコールはエルガーの弦楽セレナードから第2楽章。
美しく幻想的な弦の調べが印象的です。これからはイギリス音楽ももっと聴いていきたいな。
本日の主役といってもいいはずの安永さんは、リーダーとしてオーケストラ全体を引っ張っているのですが、その仕草は自然体そのもの。音楽家としての理想の姿を垣間みた一夜でした。
今夜の演奏会はFM収録。放送予定は4/5とのことです。
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