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"FWM様式" [Johannes Brahms Cycle]

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普段、ヴェルザー=メストとクリーヴランドオーケストラの情報源は、英語と独語の媒体です。悲しいくらい日本語の情報がないのですね。多くの人にとっては、「クリーヴランドオーケストラって、今誰が音楽監督?」くらいの勢いかもしれません。そんな中、久々に音楽雑誌でブラームスの録音が大絶賛されていたので、その一部をご紹介します。小さな記事なのですが、ファンとしては天にも昇る心地です。特に音楽現代の上地さんは、クリーヴランドとヴェルザー=メストの良記事をよく配信してくださります。



「オケ全体の響きが、しっとりと落ち着いた重厚な味わいを持ち、厚みのある弦の響きの上に温かい音色の金管、木管楽器が程よい色合いを添え、まるで良き時代のヨーロッパのオケのよう。ブラームスに何とも似つかわしいのだ。それに奇を衒わず作品に真摯に向き合うヴェルザー=メストの指揮ぶりも非常に好ましい。この第4番はもちろん、ロンドンでの第1番、ウィーンでの第2番、第3番でも非常にテンポ感がよく、しかもクライマックスでの高揚も見事で、ここまでオーソドックスな演奏で非常に濃い味わいの解釈を聴かせられるようになったヴェルザー=メストの内面の充実ぶりに目を見張った。」(『レコード芸術』3月号 海外盤REVIEW 中村孝義氏)



充実のクリーヴランド・コンビネーション
「ブラームスの全交響曲を録音したことは、北米の正統的音楽ファンの間では高く評価されており、既にそのアプローチは「FWM様式」とよべるほどの確固たるものとなった。FWMは群を抜く粘り強さで、作品をリサーチし、楽員との対話を続ける指揮者だ。彼がロンドン・フィル、NYフィル、ボストン響、クリーヴランド管を相手にしたリハーサルを、それぞれ見学したことがあるが、殆どブレイク・タイムなしで、アンサンブルを纏めていることに感心したものである。」(『音楽現代』 3月号 アメリカ通信 上地隆裕氏)



WCLVの放送予定が更新されています。
来月は久々にヴェルザー=メストの運命が聴けそうですね。この勢いでベートーヴェンとマーラーも録音してくれるといいなあ。

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コメント 2

T.D

日本ではヴェルザー=メストの知名度はイマイチかもしれませんが、ここまで賞賛された記事があるのは嬉しいですね。真摯に音楽に向き合う姿勢が音楽に出てるという評価でしょうか。むやみに装飾せず、原石を削って磨き上げるような音楽作りを、没個性だと批判されるのは納得いきません。この良さをもっと多くの人に知ってもらいたいものです。

運命の放送が決まったようで本当に嬉しいです。マエストロのファンになって以来、何年もこの時を待ってました。欲を言えば、7番も聴きたいな...と笑
ブルックナー、ブラームス、ベートーヴェン、マーラーの録音となれば、まさに"FWM様式"ですかね。期待が高まります。
by T.D (2016-03-16 21:03) 

menagerie_26

T.Dさん

この記事を目にした時は、心の底から感動がこみ上げてきました^^
多くの人に読んでいただき、ヴェルザー=メストの今を聴いてほしいです。昔のイメージにとらわれて過小評価するのは、本当にもったいない。

7番は客演指揮者に譲っているイメージがありますが、2005-07年頃の定期でやっているはずなので放送があると良いですね。久しく聴いておりません!
by menagerie_26 (2016-03-17 07:51) 

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