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Fate and Freedom  祭りの余韻に浸りながら [音楽]

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3日間にわたるクリーヴランド管、秋のフェスティバルが終わった。
街をあげての祝祭ムードをラジオ越しに味わいながらトークと演奏を堪能した3日間だった。名曲中の名曲のベートーヴェンの交響曲は言わずもがな、ショスタコーヴィチについては少しだけ自分との距離が縮まった気がする。


初日のヴェルザー=メストのプレトークによると、この企画どうやらムジークフェラインからの要請があったようだ。当初、サブスクリプションでフェスティバルを計画していたところに、秋のツアーでベートーヴェンの全曲演奏会をやってほしいと依頼があったとか。LvBのチクルスはよくある企画なのでつまらない、とメスト。そこでショスティとLvBをセットで取り上げる企画を思いついたのだとか。2年前のリンカーンセンターでのブルックナーフェスティバルを思い出しますなあ。


甲乙つけがたいのだが特に良かったのは中日のプロ。
まずはベートーヴェンの4番。
クリーヴランド管の持つクリスタルな響き、推進力、しなやかさが全楽章に満ち溢れていた。どこまでも飛翔する若々しいベートーヴェン。メストの棒は一見淡々としているようでありながらも決して歌心を忘れない。この人でないと出せないあの独特のテンポ感が心地良くてたまらなかった。各パートが共鳴しあって生み出されるその輝かしいハーモニーはまさに妙技。しばし陶然となってしまった。


後半はショスタコーヴィチの8番。
ほとんど聴いたことがないので曲に対する先入観やイメージはゼロの状態でこの日に臨んだ。第1楽章からその陰鬱な響きに強く引き付けられる。弦セクションが奏でる美しく物憂げな旋律が心の奥底を捉えて離さなくなった。この日以来、夜になると無性に聴きたくなるのである。そんなわけでショスタコーヴィチアレルギーはどうやらなくなったらしい。


メスト自身、今回のプロでいちばん好きなのはショスティの8番なのだとか。オーストリア人はマゾヒストで有名ですから(笑)と冗談を飛ばしながらプレトークで話していた。


プレトークのオンデマンドはこちらから。

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