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抑制のきいた美しさ シューマン ピアノ協奏曲 [音楽]

シューマン ピアノ協奏曲
Piano Concerto in A minor, Op.54

ピアノ: Pierre-Laurent Aimard
指揮: Franz Welser-Most
管弦楽: The Cleveland Orchestra
日時: Miami (Cleveland Orchestra Miami Residency), 2011/1/29
エアチェックで鑑賞。(昨年12月)


エマールさんは2010/2011シーズンのマイアミ・ウィークに同行。その当時のWCLVの放送(おそらくライヴ)は逃したのですが、昨年末に再放送があったので運よくエアチェックできました。マイアミの演目は確実に収益を上げるために「安全プログラム」で構成されます。にしてもエマールさんがシューマンのコンチェルトとは珍しいなぁと思いながら聴きました。

控えめな演奏です。フェミニンなシューマンでした。最近のラヴェルのアルバムで感じたあの柔らかいタッチは本演奏でも健在。とろけるような音色でした。
エマールさんの言葉を借りるならば、「フレージングを理知的にとらえた」演奏です。ヴェルザー=メストさんも感情に任せて指揮をする人ではないのでなおさらかもしれません。


クリーヴランドの新聞社The Plain DealerのZachary Lewis氏の批評では、

Both his performances Friday and Saturday seemed cool and somewhat perfunctory, and contained wrong notes.
冷静な演奏。少々上滑りしミスタッチもあった。

とあるものの演奏テクニックについては肯定的で、

Still, even on off nights, Aimard has the power to compel, and his performances here were hardly without their charms. His Schumann may have been short on emotional warmth, but on measures of contrapuntal clarity and rhapsodic sweep, it was second to none. Nor do many interpreters probe the slow Intermezzo with comparable sensitivity or attention to detail.
感情的な面は不足していたかもしれないが、明瞭な対位法そしてラプソディックな演奏は他の追従を許さない。

同じ曲を2/6のカーネギーホールでの演奏会でも取り上げています。
その時のNew York Timesの批評でも、

the pianist Pierre-Laurent Aimard’s contribution was an ideal fit with the Cleveland ethic.
Without being at all flamboyant and despite some finger slips, his playing projected an understated brilliance well matched by the orchestra’s.
エマールの演奏とクリーヴランド管の音楽観は理想的な組み合わせ。 派手な演奏ではなくミスタッチもあったが、エマールのピアノはオーケストラの演奏によくマッチし、抑制のきいた美しさを醸し出した



最後に一つ。
この演奏会の前にヴェルザー=メストさんがエマールさんについて言及した面白いインタビューを。


異なった角度から分析的にアプローチする姿勢が興味深いとマエストロ。
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