SSブログ

Grenzenloses Vertrauen 揺るぎない信頼とプロ意識 [音楽]

marie-elisabeth-hecker-martin-helmchen-verbier-festival-2014_d_jpg_720x405_crop_upscale_q95.jpg



通常の音楽シーズンが終わり、日本をはじめ世界各地で夏の音楽祭が開催中です。
スイスのヴェルビエ音楽祭にヘルムヒェン&ヘッカーデュオが出演するということで楽しみにしていました。現在オンデマンド配信中です。

音楽祭に先立ち掲載されたインタビューで、ヘッカーとの演奏について興味深く語っています。夫婦で演奏するのは通常と違いますか?という問いに対し、
公私共々にお互いをよく知っているのでとても信頼できるけれども、同時にプロとしての演奏技術を維持することを常に意識していると。(グーグル先生を頼りにドイツ語→英語に翻訳したものを読みました^^早くこれが読めるようになりたいw)

確かに演奏中の二人の表情はお互いへの信頼と自信に満ち溢れていましたし、ソロや協奏曲で演奏する時には見たことのない面差しが強く印象に残っています。この二人、こんなに熱いんだ〜と。



曲目は次の通り。

ヴェーベルン チェロとピアノのための3つの小品 作品11
ブラームス チェロソナタ 第1番
シューベルト アルペジオーネソナタ



1曲目のヴェーベルンは初めて聴きます。音符の間に漂う並々ならなぬ緊張感とでもいうべきものを感じました。アルディッティ弦楽四重奏団による細川俊夫さんのCalligraphyを聴いた時のような感じです。ここの記事によると、ヘルムヒェン自身、冒険(リスク)を承知でヴェーベルンの曲を取り上げているらしく、「素晴らしい聴衆がいると確信できなければ、絶対に上手くいきません。」と。演奏後パラパラと拍手を始める様子から察するに、大多数のお客さんにとっては「何かよくわからないけれど凄いね」という印象なのでしょう。でも聴く機会が増えればそういうアレルギーも無くなりますね、きっと。


2曲目のブラームスは3曲中最も説得力がありました。
ブラームス32歳の時の作品です。お母様をこの年に亡くしたブラームス先生の深い悲しみ、寂寥感のようなものが全体を覆っています。
ヘッカーさんのチェロはやや朴訥な音色で実直。ストレートで誠実なチェロの響きをヘルムヒェンのピアノが脇で支えて時折リードするといった感じでしょうか。第3楽章のお互いが一歩も引かない白熱の演奏は見事と言うしかありません。


トリのアルペジオーネは・・・。演奏技術は完璧ですし二人の息もピッタリなのですが、うーんなぜか私の心の琴線はブラームスほどは動きませんでした。強いて言えば健康的すぎるからでしょうか。シューベルトの陰鬱な叫びや焦燥感、絶望感といったものがあまり感じられなくて。。いや素晴らしいことは間違いないのですが何かが足りないのですねぇ。1回の演奏で断定するのは危険なので、レコーディングしたディスクのリリースを待ちます。今年の始めにアルペジオーネ他数曲を録音したそうです。


アンコールのブラームス(5つのリート Op. 105 第1番 調べのように私を通り抜ける)がこれまた絶品でございました。
ブラームスの方が相性が良いのかしら。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

交響的練習曲深沈厚重なシューマン ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。