広島交響楽団 第355回特別定期演奏会 12/16 [音楽]
<曲目>
モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 KV216
マーラー 交響曲 第5番 嬰ハ短調
ヴァイオリン独奏 佐久間聡一(広島交響楽団コンサートマスター)
管弦楽 広島交響楽団
指揮 大植英次
先日久しぶりに広響の特別定期演奏会へ行ってきた。
生演奏に接する機会が少ないので、とっても有名な大植さんの指揮も今回が初めてだ。
演奏会からもう10日も経過するのだけれど、今もなお大植さんの舞台上のパフォーマンスが脳裏に焼き付いている。ドホナーニ大先生やヴェルザー=メストとは対極にあるタイプなので余計に印象に残っているのだと思う。熱い、とにかく熱かった。
指揮姿は独特であるのだけれど、紡ぎ出される音楽に恣意的なものや仰々しさを感じることは一切なかった。優雅なモーツァルト、激情型のマーラー、どちらも素晴らしく、今年を締めくくるにふさわしいライヴだった。
前半はコンサートマスターの佐久間聡一さんをソリストに迎えてのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番。佐久間さんは楽器を軽やかによく鳴らす人だ。第2楽章アダージョでの精巧な表現がとりわけ秀逸だった。
後半のマーラー。荘厳なトランペットのファンファーレで始まる第5番。完璧な音程で吹き切った首席奏者さんには心の底からブラボーを送りたい。
本曲で最も好きなのは「嵐のように激しく」と指示のある第2楽章。チェロの奏でる第2主題には抗い難い魅力がある。マーティン・スタンツェライトさん率いる広響のチェロの、啜り泣くような繊細な音色を存分に堪能できた。
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